「………んじゃ、そろそろ行くか?」


リョクのその言葉に、僕は頷いて立ち上がった。


「こっから、登りはちょっとだけキツイけど、距離はそんなにないから。
も少しだけだから、ミキ。
歩きにくいだろうけど、頑張れ。」



僕を心配して言ってくれるリョクの言葉が、僕の胸のなかにあったかく降りてくる。


「うん。」


リョクの気持ちが嬉しくて、僕はニコリと笑いながら頷いて返事を返した。


「頑張ったら、またチョコやるから、な。」


なのに、リョクの言葉の続きはそれで。


僕………そんなにチョコが食べたいような表情してるのかな?