こくり、と頷いて返事を返した僕に、リョクは少し笑った。


「チョコ食うだけで、いちいちキスを思い出してりゃ、顔も真っ赤になるよな。」


そして、濡れているタオルを風に当てて冷たくすると、僕の顔や首筋を優しくそっと拭ってくれた。


「今拭いちまったから、もいちど、塗りなおそうか。」


そう言いながら、リョクはベストのポケットからチューブの塗り薬をふたつ取り出す。


「ミキは感じやすいから、くすぐったくて嫌かもしんないけど、感じやすいって事は敏感肌って事かもしれないからな。
きちんと塗っておかなきゃな。」