「ミキは大丈夫か?
初体験なんだろ?」


リョクは気遣って聞いてくれてるんだろうケド。


「は、は、は、初体験って………っ!」


僕はその言葉に反応しちゃって、まともな返事が返せない。


そんな僕を見て、ニッと笑っているリョクの顔を見て初めて、僕はまたリョクにからかわれていた事に気が付いた。


んもうっ!


僕で遊ばないでよねっ!


ちょっとすねて、そっぽを向いた僕を笑いながら、リョクはリュックにたくさん付いてるポケットのひとつをまさぐって、チョコレートを取り出した。


個別包装されている包みを破って、指先でつまみ上げると僕の口の前へと差し出した。