それを腕の間から、ちらちら見ながら僕は。


あとで、もいちどっていうリョクの言葉にドキドキしてしまっていた。


や、やだな。


リョクはただ、日焼け止めを塗ってくれただけなのに。



僕ったら、どうしてこんなに顔を熱くしてドキドキしてるんだろう。


お願いだから、静まってよ。


僕の鼓動。


そんな事を思いながら。


ずうっとドキドキしていた僕を。


電車は遠くへ。


僕達がめざしている山へと。



運んでくれていた。