何かを思い出しながら、リョクはくつくつと笑ってるし。


「しかも、そーゆうトコにはこだわりとか全然ない人だからさ。
職場で作らせた、役所名と個人名がめっちゃ派手なオレンジ色で胸に刺繍されてる服でさ、平気で家族での山登りとかやるんだよ。」


そ……なんだ?


おちゃめなお母さんだね。


「ま、でも、素材とか、カタチとかは確かに動きやすくて活動しやすいように実用的に出来てるからなぁ。
ミキがイヤじゃなかったら、今日だって借りたほうが良かったかもだったよなぁ。」