「傷心の俺の事、キスで慰めてよ。」


そう囁いて。



ただ合わせるだけのキスから深く……とろけそうなキスへ。


ぎこちなくにしかリョクの動きに応えられない僕の、こんなつたないキスで良いのかな?


そんな事を思いながら、リョクに翻弄された僕の唇が解放されて。


リョクは僕を見上げながら笑った。


「サンキュ。
ミキに山に行こうって言われて、すっげぇ嬉しかった。
正直、ちょっと落ち込んでたし。
初々しいキスも、良かったし。」


そう言いながらリョクが僕の頬にくれたキスは、おひさまの薫りがした。