「今夜の食事どころか、今度の山登りもキャンセルだ。
どころか、次に逢えるのが何時なのかさえ、わかんなくなっちまった。」


僕の肩に顔をうずめたリョクの声が、少しくぐもって聞こえる。


「リョク………。」


僕の肩に掛かる重みから、リョクの温度が伝わってくる。


その少し熱いリョクの体温を心地よく感じながら、僕はリョクに少しでも近付きたくてリョクの頭に頬を寄せた。




「逢いたかったよね。」




僕の言葉に、肩にあるリョクの頭は少し揺れたようだった。