「ミキ………オフクロみてぇ。」


おいでって言うようにリョクは僕に向かって手を伸ばす。


「リョクの………お母さん?」


聞き返しながら、僕はリョクの近くへと座りなおした。


「ん。似てるんだ。
ちっちゃくって。
可愛くって。
………俺の事、無条件で信じてくれて。」


そう言うリョクの頬が少し赤くなっているのを、僕は見てしまった。


僕の視線でそのことに気付いたのか、リョクはクルリと僕を池の方へ向けさせ、自分の足の間へと座らせる。


そして、僕の背中におおいかぶさる様にして僕を抱き締めた。