駆け出した僕は、学校中を捜し回った。


生徒が電話を掛けるときによく使うラウンジにも。


公衆電話がある喫茶コーナーにも。


リョクが好きな焼そばサンドを売っている売店にも。


いつも嬉しそうに朝ご飯代わりに自家製肉まんを頬張っている食堂にも。



どこにも。





リョクの姿は見当たらなかった。