そんな事を思いながら、リョクの胸に埋めた顔を上げようとしない僕をどう思ったんだろう。


何も言わないリョクが微かに笑ったような気がした。


そして、大きな掌が僕の頭をゆっくりと撫でてくれて。




「やっぱり、可愛いよな。」


リョクがそう言ってくれたところで、お昼休みの終わりを告げるチャイムが聞こえてきた。


「この先まで行くには、時間切れか?」


リョクが笑い声を含んだ声で言いながら僕の髪をくしゃっと混ぜる。