「リョクの制服の事で尽力して下さった理事長先生に、もっとちゃんとお礼を言うべきだと思うな。」


僕がそう言うと、リョクは困ったように頭を掻いた。


「なかなか、素直に言えたりはしないんだって。
お互い似たような性格だからな。」


へへっと笑うリョクに、僕は口では、んもうって呆れて見せたけど。


ふたりの性格が似たようなモノだっていうのは何となく納得できたので。


ちゃあんと言うんだよ、と念を押すだけにした。