木戸から続いている小道は、クチナシの茂みに沿って少しずつ右へ曲がっている。


けやきの高い梢から、雨の名残の雫がぽたり、ぽたりと何かのリズムを刻んでいるかのようなタイミングで地面に落ちてくる。


時折、肩に落ちてくる水滴にひゃあと情けない声を上げながら奥へと進んでいた僕と、あたりを見回しながら付いてきていたリョクは、そこだけお日さまの光を集めたように明るく照らしだされた森の切れ目に出た。


小さな池がきらきらと水面に光を弾けさせている。


この一画は、自然のビオトープになるようにって作られているんだよ、って僕にこの場所を教えてくれた先生は言っていたっけ。