そう言いながら指で僕の頬を拭ったリョクは、ペロンとその指を舐めた。


その行為に、僕の胸がときん、と鳴る。


……直接舐められるより、すごく恥ずかしいな。


「…んでも、ミキには山は無理かな。」


僕がドキドキしている事なんて気付かないように、リョクは少し残念そうに言った。


「え……?」


リョクの指に目を奪われていた僕は、反応が少し遅れる。


「俺が知ってる山は初心者用のハイキング感覚で登れる山ってほとんどないし。
ミキに花盛りの山を見せてやりたいけど、ちょっと無理かなぁ?」


残念そうに、リョクは言った。