花は野にあるように

「うん。
そだよねぇ。
えっとう、こっちの湿潤療法だとね?
刺傷には基本的に向いてないのよね〜?」


リョクを見ていた真知子さんは、そう言って腕を伸ばすと、僕の足の傷口の側へと指で触れた。


「今は、パンストで止血してるからいいけど、これを外した後、立った状態になった時の事を考えると、劇の主役みたいに立ちっぱなしで、出っぱなしの状態になる事は禁止しなきゃいけなくなると思うよ?」


ちょっと小首を傾げて言いながら、真知子さんは触れている指を滑らせて、僕の足に巻かれていたタイツをツンツン、とつっついた。