花は野にあるように

「それでぇ、もう1つはハイドロコロイドを使ってぇ、湿潤療法をするって方法。
こっちだと痛みは少ないし、うまくいけば最終的には傷痕もほとんど目立たなくなるし、治りも早い。
んでもぉ………。」


ちょっと言いにくいのか、真知子さんが言葉を切ってチラリと僕から逸らした視線をリョクへと向ける。


え?


なんだろう。


「真知子さん。
僕、キチンと選びたいんです。
リョクみたいには理解できないかもしれないですけど、話して下さい。」


逸らされた真知子さんの視線が、また僕を見て話し始めてくれるように、僕は訴えるように言った。