花は野にあるように

「あ。
そうだったぁ。
ミキちゃんの魅力について語る前に、治療だったんだっけ。
んんーっとねぇ?
ミキちゃんから、さっき明日の劇に出たいっていう意思表示は聞いてるんだけどねぇ?
どういった治療を選択するかによって、それが可能かどうかが変わって来ちゃうわけ。
わかる?」


ちょっとだけ真面目な顔をした真知子さんにつられるように、僕も治療台の上で横たわったまま、真剣に話に耳を傾ける。


「そこはわかります。
それで、僕にはどんな選択肢があるんですか?」


そう訊ねると、リョクが後ろ手に僕の手を握ってきた。