「………ちゃんと言えたな。」


優しい声で、リョクがそう言って僕の頭を撫でてくれる。


「…………え?」


ゆっくりと目を開けた僕の前に。


リョクのあたたかい笑顔が飛び込んできた。


「リョク………?」


魅力的な笑顔を見上げながら、僕はリョクの名前を呼んだ。


……どういうこと?


「嫌な事を、ちゃんと嫌だって言えるじゃないか。」


そう言いながら、リョクは片肌脱ぎになっていた僕のシャツをきちんと直して、ゆっくりとボタンを止めてくれる。