花は野にあるように

だから、そう答えたんだけど。


「え?」


真知子さんは、そう言ってあんぐりと口を開けて。


「ぶははははっ!」


リョクはそんな風に吹き出してしまった。


ええっ?


どうして、そんな反応なワケ?


「………僕、何か変な事言った?」


おそるおそる訊ねてみると、気を取り直したって感じの真知子さんが、コホン、と咳払いをしてから答えてくれた。


「うわぁお。
理事長までが御執心っての解ったかもだわ。
君が参っちゃうワケよね。
フツーに、ただ可愛いだけなんだと思ったら、ミキちゃんってば嬉しい方向に裏切ってくれるじゃない?」