花は野にあるように

えっと。


僕が俯いてしまってるのは痛いのを我慢してるからじゃなくって、目のやり場に困っているからなんだけど。


「んーっ?
慌てるあたりが、あっやしーい。
なんてね。
ん。
ちょっおっと、真面目にお仕事しよっかぁ。
さて、どれどれ?
ミキちゃん、ちょっと傷口見せてね。」


真知子さんは急にハキハキとした口調になると、僕の怪我をした方の足に、綺麗な色のマニキュアをした手を伸ばしてきた。


「ちょっと傷口開くよ?」


そう断った真知子さんの指が傷口に触れると、頭の先まで突き抜けるような痛みが僕の身体を走った。