花は野にあるように

「………ミキちゃん、あのね。」


なぜか溜め息をついてから、小林さんは首を振った。


「だから、そんな風に心配してくれるミキちゃんの気持ちはとっても嬉しいし、セットが無事なのもぶっちゃけ良かったなーとは思うんだけどねー。
みんなの1番の心配事はミキちゃんなんだって事、解ってくれてるのかなー?」


「………え?」


小林さんの語る内容に、僕は少し遅れてから間抜けな感じに聞き返してしまった。


「『え?』じゃないってばー。
怪我したのは、主役のミキちゃんなんだよー?
そこ、解ってくれてるー?」