花は野にあるように

「あつっ!」


左足に走った灼熱の感覚に、僕は絶対に火傷をしちゃったんだと思ったんだけど。


「ミキ?
しっかりしろよ?
出血はしてるけど、傷自体はそんなに深くはないからな!」


そう言ったリョクの言葉に、あれ?と思いながら目を開けて今はじんじんとしてきている足を見た。


リョクが屈み込むようにして見ている僕の左足には、ふくらはぎの側面にあたる部分に2センチ位の傷がパックリと口を開けていて、そこからじわじわとあふれるように血が流れ出していた。


それはどんどん流れて、僕の足元の方へ向かっていて。