花は野にあるように

「えっ?
あ、うんっ!」


話しかけられて、僕は飛び上がるようにして向きを変え、ガラスの柩っぽく見えるようにみんなで工夫して頑張って作った寝台の上へと向かった。


「はーい。
じゃあ最後のシーンまで通しでいくよー。
道具係の人達は片付けてー。」


教室の中に小林さんの声が響く。


僕はちらっと薄目を開けて、リョクが舞台袖にあたる場所で登場のスタンバイをしているのを確認すると、小林さんに見つかって怒られちゃわないうちに。


ぎゅっと目をつぶって、始まりの合図が聞こえて来るのを待った。