花は野にあるように

ううう。


僕達のキスシーンがそんな風に流出しちゃうなんて、絶対にヤダ。


「リョク、本当にありがとう!」


そんな事態になる事を阻止してくれた御礼に、すっごく気持ちを込めて言いながら僕はリョクを見上げた。


王子様の衣裳を着たリョクはいつもよりもキラキラとして見える。


普段より3割り増しぐらいに格好いいリョクは、僕を見下ろしながら鼻の頭を掻いていた。


「んな、礼を言われる事じゃないって。
俺だってミキのそんな写真を他の奴等に見られるの我慢できねぇし。」


ちょっと照れながら、そう言うリョクのそんな様子に僕はすっごく嬉しくなった。