その日の午前中、僕は幾度かの休み時間を、女の子達に囲まれて過ごした。


………と、言っても僕が人気者な訳じゃなくて。


休み時間ごとに囲まれているのは転校生で、僕はグズグズしている間に逃げ損ねて、輪の中に閉じ込められたような形になっちゃっただけなんだ。


「ね、前の学校ってどこだったの?」


「好きなタイプの女性ってどんな感じ?」


女の子達から飽きる事無く出てくる質問に、その人は少し面倒臭いって表情をしながらもちゃんと答えていた。