「あらまあ、いやですよ。
こんなおばあさんからは、なぁんにもお教え出来る事なんてございませんとも。
奥さま達とは違って学も何もないですしね。」


「そんな事ないです!
千代さんは美味しいご飯を作れるでしょ?
それってすっごい事ですよ。
僕は千代さんみたいに、美味し過ぎて、つい食べ過ぎちゃうぐらいの料理を作れる人を尊敬してます。」


「あら。
おやおや、あらあら。
そんな言葉をいただくと、ときめいてしまいますね。」


そう言って福々しく笑った千代さんは、ちょっと嬉しそうだった。