「………ミキはさ。」


抱きしめられた僕が何の反応も出来ない間に、リョクは僕の耳元へと唇を寄せた。


「自分が頑張っているのを評価されている事をもっと素直に喜んでいいんだ。
ホントは認めて欲しいって思っていたんだろ?
だから、俺の言葉なんかに泣くほど感激したりすんだよ。
もっと自分を褒めてやっていいんだ。
少しぐらい大袈裟でもいい。
だって、ミキはそれくらい頑張っているんだから。
誰が知らなくても、ミキ自身はそれを良く解っている筈だろ?」


リョクの熱い言葉が、熱量をともなって僕の耳の中へと注ぎ込まれる。