「………え？」


突然ぼやけてしまった視界に、僕は間抜けな声を上げてしまう。


驚いてまばたきをすると、頬の上を冷たいものが流れ落ちた。


「泣くぐらいなら、素直に認めりゃいいのにな。」


クスリ、と笑ったリョクが舌をのばしてざらりと僕の頬を舐め上げる。


「僕………泣いて………？」


自分に何が起きているのかもわかっていない僕は間抜けな質問をリョクへと投げ掛けてしまう。


「ん。
ミキ本人よりも、身体の方が正直だよな？
素直な反応してくれて、すっげぇ嬉しくなる。」