花は野にあるように

「だいたい、どうしてこんなに泥だらけのリョクが、あんな場所に落っこちていた訳?」


さっきからずうっと解決されていない疑問を僕はリョクに尋ねてみる。


「やっぱり、泥だらけか。
俺は気にしないんだけどな………とは、言えないよな。
ん、まだ時間はあるかな。
じゃあ悪いんだけどさ、ミキ少し付き合ってくれる?
道々、話すよ。」


チラリと腕時計に目をやった後、僕に向かってそう言いながらリョクはクルリと向きを変えて、中庭の方へとまた戻るように歩き始めた。


「あ、待ってよ、リョク。」