花は野にあるように

そ……だけど。


僕が躊躇した理由が、リョクには全部わかってしまってるんだね。


何だか少し。




恥ずかしいよ。


「ほら、行くぞ?面倒だろうけど、付き合ってくれよな。」


つないだ手を優しく引いて、リョクが僕にくれた笑顔はお日様みたいにあたたかかった。


嬉しいな。


僕が出せなかった勇気を、リョクが全部僕にくれるね。


リョク……どうして、そんなに優しくしてくれるのかな?