花は野にあるように

だけど。


「ど、どうして、フツーに『おはよう』なわけっ?
なんだか、フツーにうん、おはよ、みたいに返しちゃうトコだったじゃないっ!」


うん、そうなんだよね。


ここはリョクの家じゃないし、ましてや布団の上でもないし。


どうして朝早い学校の花壇の前でリョクが寝ているの?


「んー?
朝イチ、目が覚めたら『おはよ』の挨拶で間違っちゃいないんじゃねえの?
それとも、目の前にミキが居るんだから『いただきます』か?」


起き抜けだからかな?


いつもよりちょっと低音の声でリョクはクククって笑った。