花は野にあるように

口調にドキドキしているのが現れちゃったりしないように、僕はちょっと早口でリョクに告げる。


『痛いぐらいの………って、まさかこんな天気の中に出ていたりしないよな?
ミキなんて、傘にしがみついたまま空まで飛ばされちまうぞ?
メアリー・ポピンズじゃないんだから、外に出ようなんて思わないで家でおとなしくしてろって。』


「あ、ち、ちょっと窓を開けてみたんだ。
そうしたら、すごい風が吹いてるし、雨は当たると痛いし。」


まくし立てるように訊いてくるリョクに、僕はどもりながらも一生懸命に答えた。