そして、窒息死の危機を乗り越えたリョクと、牛丼を食べ終えた僕は、台の上で哀しそうに首を垂れている菊の花を前にしていた。


「それで、どうするの?
僕は何をすればいい?
出来る事はある?」


隣に立つリョクを見上げながら矢継ぎ早に尋ねる僕に、リョクは苦笑しながら大きな手を広げた。


「まあ、そんなに急ぐなって。
先ずは………っと。」


リョクは言いながら、さっき花壇の縁に置いていた卵の殻を手元に置いた。


「ミキ、残ってる白身をさ、こっちの蓋に集めてくれる?
んで、それが終わったら内側の膜をはがしてくれる?」