「俺はさあ、がっつり米の飯を食った!
って感じが欲しいからさ、どっちかってえと汁はあんまりいらねぇって感じかな。
あ、箸。
んっ!
こっち使えよ。」


牛丼を語りながらも、リョクは割りばしを片手で割ろうと苦闘していた僕に目ざとく気づいて、自分が持っていた割ってあるお箸と取り替えてくれる。


「あ、ありがと。」


お礼を言うと、リョクは笑った。


「んなの、いいって。
………んー、よっ。」


言いながら、口にくわえたお箸を器用に割ってしまう。


「そいじゃ、いただきますっと。」