ガサリと音を立てたビニール袋に、僕はハッとして斜めになりかかっていた荷物を真っ直ぐに持ち直して、信号が変わるのを待つ。


訳のわからないままリョクに送り出されて、僕は言われたままに校門を出た。


一番近い牛丼屋さんは、駅とは反対側へ向かって大きな通りを越えた所にある全国チェーンのお店なんだけど。


リョク、この店の牛丼でよかったのかな?


買い終わった帰りの道で考える事じゃないよねって自分でも思いながら僕は、汁だくを選んでしまった自分に腹を立てつつ、リョクの待つ学校の中庭へと急いで戻った。