今の世の中、人間かヴァンパイアかというよりも、純血のヴァンパイアかそうじゃないかで分けられる。
それくらい血は薄まり、能力も無くなってきている。
それなのに、ヴァンパイアだ人間だと言う奴は未だにいるのだ。
「う、うるせぇ!俺たちはヴァンパイアの血が流れてることに誇りを持ってるんだ!」
「誇り、ねぇ…。くっ…ははは!」
苦し紛れに不良その4が言った言葉を、意味有りげに呟くと冬夜はいきなり不良たちに背を向けて笑い出した。
突然笑い出した冬夜に初めは驚いて顔を見合わせていた不良たちだったが、後ろを向いたまま一向に自分たちの方を見ない冬夜に苛ついてすぐに声を荒げた。
「何が可笑しいんだよ!」
不良たちの苛立ちを隠そうともしない声に、冬夜は目に涙を浮かべながらやっと振り返った。
「何が可笑しいって?あんたらが言ったことが可笑しいんだよ」
「だから、それの何が…」
可笑しいんだよ、と言うはずだった言葉は音になる前に冷たい声に遮られた。
「誇りあるヴァンパイアが人間に対して差別めいたことなんか言うかよ」
「何…?」

