「おまえが…おまえがカッコイイから悪いんだぁ!」


「……はぁ!?」

一瞬何を言われたのかわからず、間抜けな声が出てしまった。

いきなりカッコイイとかそんなことを言われても…。


確かに悠妃の容姿はかなり整っている。

少しきつい印象を与える深い黒の瞳。

それと同じ色の髪は長く、後ろで無造作にくくられている。

少し着崩した制服もだらしないとは感じさせない。

中性的な声も相まって男女問わずかなり評判がいい。


しかし、悠妃にそのような自覚はほとんどない。

「昨日いきなり瑞希が好きな人が出来たって言い出して…」

段々と語尾が小さくなる不良その2に不良その1とその3が、泣くなよ佐藤と言って慰めている。

「ちょっと待て。瑞希って誰だ。」

急に話しだした不良その2、改め佐藤に思わず突っ込んでしまった。

「俺の妹だよ!おまえが昨日声をかけた奴だ!」

「そうだったのか…で、それがどうかしたのか?」

悠妃としては疑問に思ったことを正直に口にしただけだったのだが、むしろそれが悪かったようだ。