「………」
何でこんなところに…冬夜が寝ているんだろう…
龍は体育館の裏で固まっていた。
視線の先には芝生の上で気持ちよさそうに眠っている冬夜の姿。
「…おい。冬夜」
とりあえず起こそうと声をかけるが何故か一向に起きる気配がない。
それどころかうるさそうに顔をしかめると、龍に背を向けて身体を丸めて寝ようとする。
ちなみに今は5限目の途中で、龍がここにいるのは全くの偶然だ。
もう一度冬夜を起こそうと、今度は身体を揺すってみる。
しかし、寝ぼけたような声を出すだけでやはり起きてはくれそうにない。
「冬夜。いい加減起きろ…」
ここまで起きないといっそ見事だ。

