「…おーい。授業は出ないのか~?」
なかなか返事をしない冬夜に何度もおーい、おーいと声をかけやっと応えが帰ってきた。
「……サボる」
「…いや、教室帰ろうぜ?」
「屋良1人で帰れよ。俺はしばらくここにいる」
頑として動こうとしない冬夜に仕方なく脅しとも取れるセリフを言ってやる。
「…ここにいたら、また鈴木たちに見つかって追い回されるぞ?」
案の定冬夜は恨めしそうに屋良を睨んで身体を起こした。
「誰かが告げ口して居場所がばれるなら教室に居たほうがマシだと悠妃も思うよな?」
訂正。完全に脅しだ。
「………後で覚えてろよ」
ここまで言われれば言うことを聞かない訳には行かないだろう。
言うだけで終わらないのが屋良の怖いところだ。
「もう忘れた」
ニッコリと笑って言ってのける屋良を思わず殴りたくなったが、それを冬夜は何とか理性で押しとどめる。
「じゃあ戻るぞ!」
さっさと歩き出す屋良を見た冬夜はため息を吐いてからその背中を追いかけた。

