「そうか…まぁ、気をつけろ」
「心配すんな。俺は大丈夫だ」
自信たっぷりに言い切ってやると、屋良は苦笑を浮かべてそうだなと言ってくれた。
そんな屋良を見て冬夜は安心したように芝の上に寝転んだ。
屋良はその隣に腰を下ろしてしばらく2人とも何も話さなかった。
その沈黙を破ったのは冬夜だった。
寝転んだまま顔だけを屋良の方に向け、少し言いにくそうに冬夜が口を開いた。
「なぁ、屋良。……神木 龍ってやつ知ってるか?」
「何だよ、いきなり。お前から俺の知らない名前が出るなんて珍しい」
あまり自分から話をしない冬夜が、まさか他人の話をするとは思っていなかった屋良は、驚いて耳を疑った。
「…知らないならいい」
そう言うと顔が見えない方を向いて寝ようとする冬夜を屋良が慌てて止めた。
「待て待て!何てったっけ。神木 龍?」
「…あぁ」
「神木…、神木…。聞いたことあるんだけどな~。どこで聞いたかな~?」
腕を組み真剣に悩む屋良を眠そうな目をした冬夜が見つめる。

