キャンバス


「いいんじゃない。蒼、最近死人のような顔色していたから」

部長の話が終わったあと、私は同僚たちに会社から追い出されてしまった。

「先輩。ちゃんと休んでくださいよ」

そう告げられながら、カバンを手渡された。

「そんなにひどかったかな。
自覚はあったけど、バレないようにしていたつもりだったんだけど」

「なにってんの」

電話口で、乾いた笑いをしながら、同期の美恵に笑われた。

「あんたの仕事っぷり、こっちまで話きていたぐらいだからね~
クールビューティー仕事の鬼になってるって。
まぁなんでこんなことになってたかの理由は知られてないけどね~
これで本人気づいてなかったとかありえないわ」

ソファーに座りながら美恵の話を聞いて、思わず飲んでいたビールを吹きそうになった。

「なにそのクールビューティーって…」

「何ってあんたのことだけど…」

「どんな呼ばれ方してんのよ私」

「えっ、だから…「はいはいはいはい…呼ばんでもいいわ」

「で、休暇どうすんの」

「どうしようかね~」

「行くとこも、やることもないんだね~」

「……ないですけどね」

そう、つぶやきながらビールを傾けた

「そ~んな、あおいちゃんにプレゼント~!
PCメール見といてね~
じゃあ、明日も仕事ある私は、寝ま~す!」

と行っていきなり電話を切った。

「なんだ…」

思わず、自分の携帯を耳から話して、見つめてしまった。