ユークイン王国には、それはそれは美しい、"白薔薇の姫"と呼ばれるお姫様がおりました。

容姿端麗可憐な姫、ソーン・ベアトリス・ユークイン。
彼女はいつも女神のような微笑を浮かべ、人々を癒します。



――しかし、それは仮の彼女の姿。


綺麗な薔薇には棘がある―――


本当に"彼女"を知る人物達は、皆彼女をこう呼ぶのです。




荊姫(いばらひめ)、と。