『誰?』



「ふぁー…やっぱ、カッコイイー!」
「…はいはい」
「何その冷めた目!ひどい!(泣)」
「…(泣)とかないわー…」


初めまして、嶋崎奈々です!
オタクで腐女子な中学生です!
今現在、あたしの親友である新井凜華ちゃんとアニメ観賞中です!

「ねー…もうこの深紅の瞳とか美しすぎる…」
「……」
「黙らないで、オタクトークやめるから、どん引きしないでぇぇぇぇ!」
「はぁー……あんたそんなんじゃ、いつまでたっても彼氏できないわよ」
「別にー、彼氏なんていらないしー、むしろ2次元が恋人だし」
「…バカ、あんたってやつはもう…」
「だって本当にいらないんだもーん(‐3‐)」
「顔文字ウザッ」
「Σひどい!」


《…キーンコーンカーンコーン…》


「あ、予鈴なった」
「ほら、さっさと自分のクラスに戻る」
「はーい」

席を立ち、自分のクラスまで戻れば、あたしの席には先客がいた。

「おいコラ、てめぇ何座ってんだよ」
「お、男女(おとこおんな)の登場だ」

こいつは南明日香。保育園からの腐れ縁。

「男女っつーの、やめろ、オカマヤローが」
「そんな言葉遣いするからー…って、誰がオカマだ、誰が!!」
「女みたいな名前に女々しいじゃん、お前」
「お化け屋敷もムリだよな、明日香は」
「あ、和也」

今話に加わったのは、明日香と同じで腐れ縁の佐々木和也。

「うっせーな……あの暗いのがダメなんだよ、悪いか!」
「「いや、悪くないけど……」」

和也と顔を見合せて、言う。

「「女々しい」」

「うるせぇな!!/////」


顔を真っ赤にして叫ぶ明日香。かっわいー(棒読み)


「あ、なぁなぁ、今日カラオケ行こーぜ」
「お、いいね、いいねー」
「賛成ー!」

楽しく話していると、女子数名が近寄ってきた。

「カラオケ行くの?」
「あたし達も行っていーい?」
「…」

無言で睨み付けるように女子を見る。

「ねぇってばー」
「あのさ…」

拒否の言葉を口にしようとしたら、明日香があたしの声を遮った。

「悪いんだけど、人数少ない方が結構曲歌えるし、何かと都合がいいんだよねー」
「…!」

…フォロー…してくれてる…?

驚きを隠せないまま、明日香を見ていると…。

「だから今回はあきらめて」

和也もそう言った。