ちょうど三時間目が終わった頃、1人の女の子が泣いていた。


「どーしたの?」


私は直ぐに声をかけた。
だって、すごく落ち込んでる顔してるんだもん。


『りぃ…私、私…』


泣いていて上手く言葉が話せない感じだったから隣の女の子に目をやる。


隣の女の子も私に気づいたのかコクッと頷いて話を進めた。


『さっき、哉琉くんに告白しに行ったんだけど…』


「フラれちゃった?」


『うん…でも、言い方が酷くて…』


1年C組、湖雅哉琉(コガカナル)クールな上、女にモテる。
勉強も出来る方であり、顔も整っている。


「なんて言われたの?」


『「どーせ顔だけだろ。女なんて御免だ。」って』


そう言うと泣き止んできたのにまた更に泣いてしまった。


「くっそぉ…あんの顔だけの男めっ!!待ってて、私がガツンッと言ってくるから!!」


何が「女なんて御免だ。」だ!だったらお前は誰に恋をするんだってんだ!


廊下をいかにも不機嫌という歩き方をして哉琉を探し出す。


「どーこーだーッ」


ギラギラに光らせた目がヤツを捕らえたのは探して直ぐだった。


「湖雅哉琉!!
アンタ、少しモテるっていっても言い方ってもんがあるでしょ!言い方ってもんがっ!!!」


ワナワナ怒りで震えながらもヤツを睨み付けハッキリした口調で話す。


「は?…あんた誰?」


飲んでいたオレンジジュースから口を放し、訳分からないという顔をしている。

「だから、告白されたからって断るのに言い方ってもんがあるでしょって言ってんの!」


「どう断ろうが俺の勝手だろ。なんであんたに指図されなきゃいけないの。」


オレンジジュースを飲み干し、立っていた場所から動こうとする。


「ちょっと待ちなさいよ!まだ話しは終わって…」


私が言い終わる前にヤツが後ろを振り返り、オレンジジュースを持った手で指差しながら


「あんたには関係ない。」

「なっ!?」


りぃは驚いた。
いつもなら男は直ぐに謝り、直すと言う。


なのにこいつときたら「あんたには関係ない。」と言ってきた。


「だって、友達だからっ!」

「あっそ。」


大人の対応をされたようで何だか負けた感じがした。

『ごめんね、哉琉が。』


「へ…?」


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