その窓には一枚の貼り紙

【住み込みでバイトしてくれる方、大募集!】

喫茶店に住み込みでバイトとか、いるのか?
疑問はあったが、今の僕に頼れるところはない。

この貼り紙を見たときから決めていた。

僕には、ここしかないって。

思い切ってドアを開ける。

ギィーと鈍い音を立てながら、ドアが開く。

「いらっしゃいませ」

「うぇーい!やっと来たか!」

中には品の良さそうなおばあさんと、26歳前後の男がいた。
それと、年にしては珍しい、洒落たハットに巻きタバコをくわえた
おじいさんが 一人…

「あの…バイト募集の貼り紙を見て…」


「なんだ。先生じゃないのかー。」

26歳前後の男が落胆した表情を見せる。
僕はお構いなしに続ける。