私はこの頃、井雲ではなく
絵桜太一エザクラタイチという人物が
好きだった。

絵桜は隣の席だった。
それと、もうひとつ
何処かでみたことあるなって
思ってたけど

それは小学校の時の私の通学路の途中の道からいつもてで来る子が、その絵桜だったのだ。



そのまま時はすぎ、
クラスメートとは少し喋るものの
ちゃんとした新しい友達はまだだった。

4月の後半に掃除当番で掃除場所に行ったけど絵桜しかいないときがあった。

だから、私は話しかけることにした。

…その場所は地下一階の木工室。

「あっ。あの、もしかして西幼稚園だった?」

私の聞けることはこれしかなかった。

中学の近くにあって、何かで世界一になった幼稚園、そこの幼稚園に通っていた子が多かった。

私もその幼稚園だったし
彼も同じだった。

「そーだよ。」