「えっ…?」

分かってるんだけど…
意味が分かんなかった。
それ言ってなんなの?って思う。

「1年の初めの天宮は凄く生き生きしてたのにな。
ウジウジしてて弱気なお前が大っ嫌い」

そこまで言うと、
私の顔に自分の顔を近づけた。

そして、何の合図のないまんま…

…チュッ


唇に柔らかいものがあたった…
かと、思ったらすぐに離れた。
静かなこの場所には
大きく聞こえるリップ音がなった。

ビックリして固まる私。

「あっ。そうだ!今アルバムある?」 

えっえっ…い、今…

こっちはビックリしすぎてるのに
お構い無しに言ってきた。

「えっ、あっ…ある、よ」

そう言って差し出すと寄せ書きのページを開いて書いてくれた。

「うちも神村の書きたい!」

「書くのか?はい」

神村のにいっぱい書いた。
とにかく一番目立つように…

そしてこの日が神村の頭から離れないくらい衝撃的な日だって思われるように…

「それじゃぁ。もう会わないだろうけど
また会う日まで」

そう言って帰って行った。