優しく包んでくれた海里の腕は、最後に会った時より細さを増していた。
「美奈?これ食うか?」
そう言って差し出してくれたのは、ミルクチョコだった。
「私が好きって知ってたの?」
「当たり前だろ、俺の彼女なんだから」
普段は、海里の思い出話を聞く事が多くて自分の話は聞かれなきゃする事は
ない。なのに、私がミルクチョコを好きって知っててくれたのはホントに
嬉しかった。
「うん、ありがとう」
包みを開いてゆっくり食べだした。
「海里?」
「ん?」
背伸びをして海里の口に溶けて来たチョコを運ぶ。
口からはみ出したチョコを指で拭いながら耳元で海里が囁く。
「ありがと、お前がいなくならないか不安だった…」
「うん…」
「でもこうして抱きしめられてるのがホントに幸せだ…」
さっきより強く、今までより強く抱きしめてくれた。
私もそれに答えるようにして抱きしめ返したよ…

だから、大好きなミルクチョコだけど海里にもらったこの
チョコだけは特別なの。初めてもらった海里からのサプライズプレゼント…
ミルクチョコの優しい味だけじゃなく、海里の私への愛情で溢れてた。
またこのチョコ持って来て強く抱きしめて…
ずっとここにいるから…