今日は私達4人で夏祭りにやって来た。
「美奈?」
「ん?」
「今日は、海里と2人で周っておいでよ☆」
「まりあ、ホントありがとっ><」

海里には、蓮とまりあは急な用事って事でなんとか誤魔化した。
嘘ついてる事に罪悪感はあったんだけどね。

「美奈、金魚すくいやらね?」
「うん!あっ、あの金魚かわいー☆海里とって?」
上目使いで誘惑してみたけど…
「やだ。俺ヘタだもん」
って言う事で私が取る事になった。
なんとも不器用な私だけど、2匹Getに成功☆

「海里~。この金魚1匹あげるよ」
「ホントか?美奈が取ってくれたのマジ嬉しいなぁ」
こんな海里の喜んだ顔今まで見たことなかったからホントに嬉しかった。
その後は、綿菓子を食べながら河川敷に寝そべって花火を眺めてた。
そんな私は、すごく夢見心地でいたんだと思う。
「ねぇ、海里?」
「ん?」
「来年もここの花火2人で見に来ようね」
「あぁ、そうだな」
そんな海里の横顔はどこか寂しげで、不安と焦りが混ざったような何とも言えない
表情だった。……もっとそばで海里を感じてたかったよ。


私の家まで海里は送ってきてくれた。
「じゃあな。美奈、おやすみ」
「うん、ありがとう。今日は楽しかったよ☆」
「ばいばい」
手を振ってドアを閉めた。最後に海里が静かに言った言葉。
もっと強く引き止める事ができたら、こんなに後悔することはなかったのかな…

私が取った金魚は、水槽の中で元気に泳ぎ回っていた。
海里を思うように大事に育て、毎朝ベッドから出たら餌をあげる事が
日課になった。
まるで海里が隣からいなくなるなんて思わせないかのように…