「ん...」 頭に入りこんできた 電子音に目を覚ます。 あれ?と思い額を触ると、 冷たい汗がヒヤリと首まで つたって濡れていた。 「何...だったの、あの夢は。」 正しい独り言を 呟いたままの体制で しばらく茫然としていると、 「姉ちゃん!起きてる??」 弟であるタクトの喧しい声に 「あんた、何時の間に部屋に 入ってるの。 勝手に入らないで、迷惑。 それに煩い。」 と言う。 何時の間に入ったんだ、 この子。 まだまだ幼い顔で ニヘラと笑って見せる 弟のタクトに冷ややかな目線を送る。