下野麻里、葬儀








麻里のお母さんは
私の傍にやってきた。


口を開こうとすると


「みなみちゃん!」


麻里のお母さんの横に居た、
麻里の弟のタクト君が
私の名前を言った。


「あ、タクト君。」


麻里が倒れてから、
タクト君とは
全然話す余裕が
無くなっていた為、
久しぶりだった。


「お姉ちゃん」


その言葉にドクリとする。


「ずっと寝てるだけだよね?
起きて来るよね?

でも、どうして、
あんな箱の中に入れられるの?」



私は質問を問いかけられても
答えられなかった。




そして、
麻里が天国へ逝くのを
ただ見ていた。